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DEOブログ|ダイバーシティってなんだっけ?

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6/3

社長業391日目。

「ダイバーシティってなんだっけ?が私も同僚もわからなくなってたから来ました。」これは先週ビッグサイトで開催されていたHR EXPOのセミナー内で「あなたはなぜここに来ましたか?」と講師から会場への投げかけに答えた視覚障害を持つ方の回答でした。その方の会社は視覚障害を持つ方と、いわゆる健常者が一緒に働く職場で、当たり前のように僕のようなスタッフもいて、なんか当たり前なんです、と言っていた。私は、その発言を聞いて大きく頷いた。

職業柄、ダイバーシティの講演を見つけては申し込み、多様性というキーワードを見つけては新聞や雑誌などインプットしているが、いつでも最初にくるのは私も「ダイバーシティってなんだっけ?」である。当社にはLGBT団体のトップとして活動するスタッフがいて、中国人スタッフがいる。友人にも中国人の子がいる。属性云々じゃなく、一緒に働きたいと思ったから今一緒の会社にいる。レズビアンだから、中国人だからではない。他のスタッフもそうだ。私が一緒に働きたかったから。それだけ。戸籍上の男女がいて、会長は父と同じ歳だし、25歳もいる。東北生まれがいれば東日本大震災で実家が流された沿岸出身者もいる。大阪も中国出身もいる。未婚も既婚も、ママもいる。こまろ部長という犬もスタッフの一員だ。属性は後からついてくる。なんとなくいつもダイバーシティと呼ばれる状況になっているのが私の近辺。

実は、このセミナーを受ける前週は、スタッフ麻衣のライフワークであるいわてレインボーマーチの取材を当社で行なっており、よかったら上司の方も、とインタビューの機会を頂いた。聞かれたことは3つ。彼女の仕事ぶり。初めてレズビアンだと告白された時のこと。そして、LGBTということで内定取り消しのニュースがあるが企業として多様性とどう付き合うか。仕事ぶりは申し分ないのでここでは触れないが、後の2つはせっかくなので書いておこうと思う。

初めての告白を、私は覚えていない。彼女ともその時のことを思い返してみたが、まさかの二人とも覚えていなかった。私に至っては「てゆうか、私に直接言ったことあった?」という始末。周りから聞いた気がするが、彼女から面と向かって言われた記憶はない。なので、私と彼女の間では「それくらい日常会話だった」という結論になった。この前何食べた?昨日こんなことあって。と同じ、他愛のない会話だったので覚えていない。ダイバーシティ当たり前状態の私には日常会話だった。

そして、企業と多様性。インタビューで私が答えたのは「みんなが取り組む必要はないと思う。取り組みたい企業があるならば、既存の環境で取り組もうとするのではなく、向いている職種を新たに増やす、という方が取り組みやすいのでは?」と答えた。当たり前の枠に悩んでいる分だけ人の気持ちに敏感だし、周りが見えていると思う。一般とは違う目線を持っていることが有利な職種がある。デザイナーのようにクリエイティブな仕事。ファッション関係もいいと思う。接客や営業なんかも視野の広さと違う目線でお客様の立場で考えやすい。一方、肉体的な力を要する仕事や業界だとなかなか難しいと思う。

私が前職でいた建設会社は、地方の中小建設会社なのにインテリアコーディネーターが10人以上いたし、私のようなブランディング、デザイン、広告を担当する者が4人もいた。建設業という旧態然業界にデザイナーがたくさんいた。つまり建設業にも関わらず、体力に関係なく能力を発揮できるフィールドがあった。一般的には外注する仕事である。でも正社員だった。意図的に職を作り出していた。女性を入れないと。外国人を入れないと。ないと、ないとで社会的体裁で入れたはいいが、今まで組織に居なかった人たちが個性を活かして仕事をするには受け入れ側の体制が整っていないと定着はしない。

これを機に私を取り巻くダイバーシティ状況を冷静に考えてみた。「向いている職種を新たに増やす」に加えるならば、それ以前に「どんな人が欲しいのか?誰と一緒に働きたいのか。何をその人に望むのか。」これを企業は明確にすべきである。採用のお手伝いをしているが、ここが抽象的な企業が多い。欲しい人がいるならば属性は大した話ではない。その結果が当社であり、前職であった。この人がいい!と感じたなら向いてる職をクリエイトすれば良い。人に合わせて柔軟に対応せずに、既存の組織にはめて考えるからおかしなことになる。まずは「誰と」そこを真剣に企業は考えるのが多様性への第一歩。

ジュークアンリミテッド株式会社
代表取締役社長/DEO 加藤瑞紀

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